白馬の王女様
卵巣のう腫の手術をした。
腫瘍そのものは良性で、卵巣の正常部分を残す手術だったので、妊娠能力はおそらく影響ないだろう。
しかし、それでも婚活には決定的に不利になる。
実家が裕福でもなく、仕事のキャリアもない、大多数の女たちにとっては「結婚」は生き残るために必ずしなければならないものだ。
結婚したからと言って幸せになるとは限らないが、結婚しないで年を取れば将来確実に不幸な老後が待っている。
しかし大多数の男たちにとっては「結婚」はしてもしなくても大差ない『贅沢品』だ。
同じ贅沢品ならとことんまでこだわりたいと思うのが通常の心理であり、どうせなら年増女よりも若い女の方が需要があるし、ブスよりも美人の方がいいし、非処女よりも処女の方が好まれるし、貧乏女よりも金持ち女の方が望まれるし、病弱な女よりも健康な女の方が人気があるだろう。
男たちが女たちに付随するこれらの数多くの条件の一つ一つを判断するのではなく、全部――若くて美人で処女で金持ちで健康な――女・・・つまり『白馬の王女様』を待ち望んでいるのであって、そうした白馬に乗った王女様が現れなければ平凡な村娘で妥協するのではなく、一生独身でもいいと思っているのだ。
男たちは村娘で妥協しなければならない理由などないのだから。
卵巣のう腫はありふれた婦人病だが、婚活していくにあたって墓場まで持って行かなければならない秘密にさえなりうる。
婚活女子たちが白馬の王女様にならなければ結婚できないのであり、けっして灰かぶり娘であってはならないのだ。
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